小児の気分障害
基本的な理解
小児期に見られる気分障害は子どもの心身の発達や日常生活に大きな影響を与えます。子どもたちの心は非常に繊細であり、成長過程でのストレスや環境の変化に敏感です。特にうつ病や双極性障害などの気分障害は、早期の気づきと適切な対応が重要です。早期治療の開始は子どものその後の生活に大きな違いをもたらします。また、子どもの心の問題は本人だけでなく家族全体の生活にも影響するため、家族の理解と温かいサポートが子どもの健やかな成長に繋がります。
気分障害の種類
うつ病
長期間の抑うつ気分や興味喪失が特徴
持続性抑うつ障害
軽度で慢性的なうつ症状が続く状態
双極性障害
躁状態とうつ状態が交互に現れる
小児の気分障害の特徴
- 子どもは自分の感情を言葉で表現することが難しい
- 主に行動や身体症状として現れることが多い
- 学校での問題行動や友人関係の変化が見られることも
気分障害の影響
- 学業成績の低下
- 社会的関係の悪化
- 孤立感の増加
- 長期化すると思春期や成人期の精神健康にも影響
気づくべきサイン（2週間以上続く場合は専門家へ）
- 活動への興味・関心の喪失
- 過度の不安やイライラ
- 食欲・睡眠パターンの変化
- 自己評価の低下や自責の念
- 登校拒否や成績の急激な低下
- 対人関係からの引きこもり
- 自傷行為や死についての言及
適切な支援
- 心理検査・問診による的確な診断
- 心理療法
- 必要に応じた薬物療法
- 学校・家庭との連携体制の構築
保護者へのメッセージ
お子さまの心の不調は、決して家庭のせいではありません。現代社会では様々なストレスやプレッシャーが存在し、子どもたちも影響を受けています。保護者が悩みや疑問を抱えることは自然なことです。大切なのは、子どもが自分の気持ちを表現しやすい環境を作ることです。もしお子さまの様子に不安を感じたら、ご家族だけで抱え込まず、専門家に相談することをお勧めします。早期の適切な支援は、お子さまの健やかな成長と心の安定につながります。